AUSTRIでも多く使用している桜はどんな木なのか詳しく解説していきます。

桜ってどんな木?

私たち日本人に馴染みの深い桜の木ですが、桜といってパッと思いつくのはソメイヨシノでしょう。
桜には様々な品種があり、原種の山桜、エドヒガン、桜餅に使われる大島桜などから始まり八重咲の寒山やソトオリヒメなど多種多様です。その品種の一つがソメイヨシノです。

ソメイヨシノのお話

そんな桜の代表格のソメイヨシノですが、遺伝子を辿っていくと、たった3本の木から増やされたものだと言われています。
植物は動物とは違い、枝を挿して増やす「挿し木」 枝を切って台となる木に接ぐ「接木」という方法を使って、完全に同じ遺伝子を持つクローンを作る事ができます。たった3本の木から次々とクローンが増やされ全国に広まったとされています。

同じ遺伝子をソメイヨシノですから個体差が少なく、一定の温度でキッカリ開花するため、【桜前線】が成り立つのです。

近年、街路樹として一斉に植えられたソメイヨシノが一斉に寿命を迎え、大量に伐木されています。
倒木などの危険もあるため、仕方のないことではありますが、長い間、私たちを楽しませてくれた桜たちが、せめて少しでも新しい【物】としての価値を産み出す事が敬意だと思っています。

桜と私たち

なぜ桜が私たちの心を惹きつけるのか。桜と私たの歴史は古く、今のようにロードローラーや転圧機のない江戸時代では、新しい道を作るとその道を固めるために桜が植えられたそうです。
桜を植え、花が咲くと人々が集まり、踏み固められることで道が完成したと言われています。


人と人をつなぐ力が桜にはあると感じています。

そんな桜を少しでも皆さんのもとで届けたいと思っています。

材としての桜

では木工品にするにあたり、材としてはどのような特徴があるのか。


硬いと言われる広葉樹の中では比較的柔らかく、表面の木目が細かいため、肌触り、口当たりが非常にいい。
桜特有の甘い香りがある。
色味は芯に近いほど赤みがかって深い色あいになるが、元々剪定に弱く、接木しているためか芯は傷んでいることも多く、綺麗な状態の物は貴重。

まとめ

私たち日本人と縁の深い桜ですが、樹としての役目を終えた後、再び皆さんの手にとってもらい、喜んでもらえる事が何よりの喜びです。
桜たちは生き物ですので、個体によって部位によって、見た目も質感も個性があります。
どこをとっても全く同じものというのはあり得ません。特にスプーンの面に浮かぶ模様はまるで自然のホールマークのようで、ひとつひとつに顔があります。
そんな一期一会を楽しんでいただけたらと思います。

AUSTRI制作担当

iosu

いおす

プロフィール

役目を終えた樹木たちに新たな活躍の場を。という想いの元、カトラリー・調理器具を中心に様々な木工品を提案しています。 10年程、農業全般に携わってきたため、もっと多くの人に、自然に触れてほしい、身近に感じて欲しいと思い、家庭菜園やお庭の管理など幅広い生活の知恵を発信していきます。