ナラ枯れ

ナラ枯れという言葉を聞いたことがあるでしょうか?

ブナ科の特にナラの仲間に多く寄生するカシノナガキクイムシという虫が菌を媒介して枯死させてしまいます。

キクイムシの食害にあった木は小さい穴が大量に空き、細かい木屑が株元に出ているのが特徴です。

最近では山を見たときに冬でもないのに葉がない、または茶色く枯れている木のほとんどがそうと言ってもいいほどになってきました。

地方では昔から被害がありましたが東京でもここ数年で猛威をふるっています。

ナラ枯れの被害にあった木は枝が落ちて来たり、空洞化して幹ごと倒れたりして事故や怪我の原因となりますし、枯れた木が風で擦れ合って山火事の原因になったり、枯れた根が腐ることで地面がぽっかりとなくなり、雨が溜まって土砂崩れの原因になったりと良い事はありません。

虫は大口径、つまり大木に入るという特徴がありますので、計画的に伐採して新しく植える必要があります。

理想を言えば胸の高さの直径が30cmを超えたら伐採すると虫も入りにくいかと思います。

しかしながら現状は胸高直径(きょうこうちょっけい)80cm、100cmを超えるものも少なくはありません。

もともとは人間が薪のために植えていたこともあり、数も多いです。

薪として使わなくなり大木となった木がナラ枯れとなっています。

伐採する=環境破壊と考える人は多いですが薪やキノコのほだ木など、計画的に利用して、更新することが里山を守ることに繋がります。

虫が入っても菌がまわる前に早く伐採することで、木材として使う事ができます。海外ではオークウッドと呼ばれて非常に強く重宝される木です。

私たちよりも永い年数を生きてきた木の最後が迷惑がられて、災害になるなんてことが少しでも減る事を祈ります。

AUSTRIではナラ枯れにより伐採したコナラのカトラリーも販売しております。

少しでも関心を持ってくれる人が増えれば変わるはず。

AUSTRI制作担当

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いおす

プロフィール

役目を終えた樹木たちに新たな活躍の場を。という想いの元、カトラリー・調理器具を中心に様々な木工品を提案しています。 10年程、農業全般に携わってきたため、もっと多くの人に、自然に触れてほしい、身近に感じて欲しいと思い、家庭菜園やお庭の管理など幅広い生活の知恵を発信していきます。